1. HOME
  2. PUBLICATIONS



石田省三郎写真集「Radiation Buscape」



"見えないものに影響された風景の記録。”

 2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震に伴う巨大津波に襲われた「福島第一原子力発電所」は、原子炉建屋の水素爆発、メルトダウンなどにより、大量の放射性物質を大気中に拡散させた。
 放射線という眼に見えない物質によって、人々は住み慣れた故郷から立ち退くことを余儀なくされ、「帰還困難区域」に指定された地域は、未だに放置され、将来の見通しも立っていない。
 事故からちょうど5年目にあたる2016年、一年あまりをかけて、この地域を縦断して走行する代行バスの車窓から、道路沿線の現状の撮影を継続した。
 走行するバスの車窓からの視角・視点という限られた撮影条件の中で、ようやく切り取ることができる景観であっても、そのディティールから、原子力事故の不条理が浮かび上がってくると考えたからである。
 バスは、北上するにしたがって、「避難指示解除準備区域」、「住居制限区域」を通過して、「帰還困難区域」にいたる。
 時折、放射線量のを示す標識があり、3.5μSv/h近くの数値を示す
 しかし、当然のことながら、その放射線自体は、目にすることはできない。いわば見えないものの影響を写したのがこの作品である
 バスからの光景は、誰もが行きさえすれば見ることができる。しかし、その開かれた光景にすら、東日本大震災後には何らかの「目に見える」変化があるはずである。
 1枚1枚の写真のなかに現れているはずの微妙な変化に目を留めていただければ幸いである。

 On 11 March 2011, the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant, having been struck by the tsunami triggered by the Great East Japan Earthquake, released massive amounts of radioactive material into the atmosphere as the result of hydrogen explosions and meltdowns at the reactor buildings. This invisible radioactive material forced people from the homes they loved. The designated “difficult-to-return zone” remains abandoned today, its future outlook unclear.
 Beginning in 2016 , five years after the disaster , Shozaburo Ishid a spent more than a year photographing the state of things along the road as seen from the bus that substitutes for still-disrupted rail service . Details found even in scenes captured fleetingly through the limited visual range and perspective afforded by the windows of the bus would, he thought, highlight the irrationality of the nuclear accident.
 As the bus moves north, it passes through the “zone preparing for the lifting of evacuation orders” and the “residency-restricted zone” before reaching the “difficult-to-return zone.” Road signs indicating radiation levels appear now and then, showing values that approach 3.5μSv/h. The radiation itself, of course, is invisible. This collection depicts, as it were, the impact of the unseen.
 The view from the bus is available to anyone who makes the journey. Even such wide-open scenery shows evidence of a visible transformation in the wake of the Great East Japan Earthquake. Please take note of the subtle changes revealed in each of these photographs.

ブックデザイン:鈴木一誌、山川昌悟
編集:タカザワケンジ
文:タカザワケンジ、石田省三郎
英訳:ハート・ララビー
協力:shashasha 写々者
製版・印刷:光陽社
発行:IG Photo Gallery
価格:3,000円+消費税

お求めは、
IG Online Shop へ。

お送りいただいた個人情報は、ギャラリーの案内に利用させていただく場合があります。


ページトップ



石田省三郎写真集「TSUKIJI JONAI」



"失われた市場の記録。”

東京中央卸売市場築地市場いわゆる「築地場内」の移転前、およそ2年間にわたって撮影したシリーズである。
2018年10月6日、築地場内は、83年の幕をとじた。
市場に携わる人々や扱われる魚類や青果物は、豊洲に行っても変わらないが、建物や店構え、設備は消え去ってしまい、今では観ることはできない。
ここに掲載する作品は、2020年5月にIG Photography で行った写真展で展示したものに若干の写真を加えた。

サイズ:A4 40ページ
インクジェットプリント
手製ZINE
発行:IG Photo Gallery
価格:1,300円

お求めは、
IG Online Shop へ。
お送りいただいた個人情報は、ギャラリーの案内に利用させていただく場合があります。

ページトップ

石田省三郎写真集「Nights,Walking:Chigasaki」



"電気の明かりがつくり出す風景”

電気の明かりがつくり出す風景をテーマにした作品群の一つである。
ひとが電力を手にしたのは、そんなに昔のことではない。
200年にも満たない間に、ひとが生きるためになくてはならないものになった。
だが、この電気をつくるために、初めは水力であったが、その後火力に、そしてついに原子力に頼るようになってしまった。
しかし原子力発電が、取り返しのつかない危険性を孕んでいることは、チェルノブイリ、スリーマイルそして福島の惨状を見れば、明白である。火力発電も地球環境に深刻な影響を及ぼしていることに、われわれは気づかされた。
必要不可欠なものをつくり出す手段が、人間に致命的になる矛盾。
この矛盾が克服されなければ、ほんとうの未来は始まらない。

モノクロ
無線綴じ
120×120mm
写真28点
発行:IG Photo Gallery
価格:1,500円

お求めは、
IG Online Shop へ。
お送りいただいた個人情報は、ギャラリーの案内に利用させていただく場合があります。

ページトップ